スタートレック:ディスカバリー シーズン2 14話『甘い悲しみ パート2』レビュー
シーズン2の壮絶なる幕引き、そして新たなる旅立ち!
スタートレック史上まれにみる戦闘規模と怒涛のタイムトリップについて来れるか?
スタートレック:ディスカバリー
Season 2 Episode 14
『甘い悲しみ パート2』
原題:"Such Sweet Sorrow, Part 2"
- もはやTVシリーズの枠を超えた?壮絶な艦隊戦!
- 未来を決定づけるには、過去を確定させること
- コントロールの最期
- スタメッツとカルバー、その愛の結末
- 追悼 コーンウェル提督
- To Boldly Go, Where No One Has Gone Before
もはやTVシリーズの枠を超えた?壮絶な艦隊戦!
ディスカバリーのシーズン2もいよいよ最終話だったわけですが、そんな感慨に浸る時間などなく開始早々、セクション31の大艦隊と、ディスカバリーとエンタープライズの2隻だけの大バトルが開幕!
この戦闘シーンは凄かったですね!
迫力といい規模といい、劇場版も含めてスタートレック史上まれに見る規模の戦闘だったのではないでしょうか。
客観的な規模としてはDS9終盤の艦隊戦のほうが大規模でしょうが、こうまでじっくりと描写することはなかったですからね。いわゆるガリレオと同型のTOSシャトルが飛び交う空中戦というのは斬新でもありました。
しかし細かいことを言ってしまうと、スタートレックの世界観で『無人の船で艦隊戦が可能』という描写をしてしまったのは良し悪しではないかと思います。
それができるならウルフ359の戦いとか、第二次チントカ星系の戦いでの多大な犠牲は避けられたのでは?ジェニファー・シスコも死なずに済んだのでは?…という話にならないでしょうか。
まあ絵面は面白いし、無人攻撃機やドローンが世にあふれている現状を顧みると仕方がないことでしょうか。それこそミノフスキー粒子なみの便利設定を持ち出さないと、この点は説明つかないですね。
しかし、本来スタートレックとバトルは相性がよくないと思うのですよね…などと言い出すときりがないので、別項に譲ります。
ともあれ大興奮のシーンだったことは間違いありません。スタートレックの歴史に刻み込みましたね。
未来を決定づけるには、過去を確定させること
ディスカバリーを未来に送るため、急造で復元した赤い天使のスーツをまとったマイケルが、決死のタイムトリップに挑みます。
スーツの装着やヘルメットのヘッドアップディスプレイ、そして空中に浮かぶインターフェイスと、『アイアンマン』要素があふれていました。スタッフの誰かが、よっぽどやってみたかったのかな?
タイムトリップを行おうとするマイケルですが、なぜか未来に行くことができません。スポックの示唆で『まだ未来が確定していないために、未来へ行けない』ことに気づいたマイケル。
そう、シーズン2の要所でディスカバリーの前に現れた赤い信号は、マイケル本人が過去に戻って発信していたものでした。信号を発しないうちは過去のつじつまが合わず、未来に行くことはできないという訳です。
そしてマイケルはテラリジウム、カミナー、ボレスなどに次々と向かい、ディスカバリーを導く信号を発します。
やはり、何度もディスカバリーやマイケルを助けてくれた赤い天使は、バーナム博士ではなくマイケル本人だったんですね。
残された謎と今までの伏線に、次々と辻褄が合っていく展開は非常に気持ちよくて、シーズン2はこの時のためにあったと実感しました。
コントロールの最期
ディスカバリーに侵入し、直接データを奪取しに来たリーランドでしたが、『戦う女』コンビに妨害されます。ジョージャウとナーンは結構相性がよさそうですね。合理主義なところが相通ずるのかも。
しかしこの、回転するセットと固定カメラでのアクションシーンは面白く、シュールでした。本当に予算をかけて贅沢に撮っていますよね!
ラストのとどめまで、実にかっこいい活躍を見せてくれました。
スタメッツとカルバー、その愛の結末
重症を負ったスタメッツに、カルバーが語りかけます。
ディスカバリー全編を通して、彼らの愛の形は本当に紆余曲折を経てきましたが、ともかくカルバーの心が戻ってきてくれてよかったです。
スタメッツが無事に回復して、良い関係に戻ってくれることを願わずにはいられませんね。
追悼 コーンウェル提督
当ブログでは今までたびたび、コーンウェル提督をネタキャラ扱いしてきました。
いや、それは間違っていなかったと思うのですが、最後の最後、土壇場で見せた彼女の覚悟は、まぎれもなく宇宙艦隊の提督の名にふさわしいものでした。
シーズン3で彼女の姿が見られないとなると、悲しい気分です。
こうなると、ミラーコーンウェルの登場に期待するしかないですね。
To Boldly Go, Where No One Has Gone Before
かくしてコントロールの脅威は去り、マイケルとディスカバリーは遥かな未来へ旅立ちました。
残されたパイクやスポック達は、艦隊からの事情聴取に対して『ディスカバリーは爆沈した』と口裏を合わせました。
二度とふたたびコントロールのような脅威が台頭することを防ぐため、この先彼らがマイケルやディスカバリーのことを語ることはないのでしょう。
当初は『スポックの姉』という設定をひっさげて登場したことで旧来のファンを驚愕させたマイケルでしたが、これでスポックが過去のどの作品でも『ともに育った地球人の姉』に言及してこなかった理由が分かったというものです。
あまりに悲しすぎる理由ですが…。
しかし、スポックが髪を切り髭を剃り、ふっきれた様子でエンタープライズの科学ステーションにつく姿を見た瞬間、彼がこれからより強く成長し、我々の知るあのスポックになっていくのだと実感できました。
とても良い幕引きだったと思います。
そして、遥かな未来に向かったディスカバリーはどうなるのでしょうか。
シーズン3があることは確定しています。
900年も未来、しかもベータ宇宙域となると、今までのスタートレックでも描かれたことのない舞台になるわけです。
彼らにとっても、見守る我々ファンにとっても『人類未踏の宇宙』にほかなりません。
彼らの勇敢な航海をまた見られる日が今から待ち遠しいですね!
本ブログのディスカバリーの各話レビュー はこちらから。
シーズン2の最初のレビューはこちらから
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スター・ウォーズについても書いています