スタートレック:ディスカバリー シーズン2 11話『永遠なる無限』レビュー
遥かな時空を越えた母娘の再会!
その時、ついに"コントロール"自らが牙を剥く。
スタートレック:ディスカバリー
Season 2 Episode 11
『永遠なる無限』
原題:"Perpetual Infinity"
時空を越えた母娘の再会
前回のラストで決死の捕獲作戦の結果、赤い天使の正体がマイケルの母親、バーナム博士であることが判明。
前回ティリーが説明していた『天使の生体サインがマイケルと一致する』という件は、『親子だから似ていた』と結論づけられました。
私としては、さらに複雑な時間旅行ネタに繋がる伏線(たとえば、今後マイケルがバーナム博士から天使のスーツを受け継ぐとか)かと思いましたが、ちょっと拍子抜けです。
ともかく、バーナム博士のタイムトラベルスーツに記録されていた情報から、彼女の辿ってきた道が明らかになりました。
- バーナム博士は20年前のクリンゴンの襲撃の際、タイムトラベルスーツで逃げ延びる
- しかし、タイムトラベルした先は950年も先の未来だった
- そこで全知覚生命の絶滅の事実とコントロールの脅威を知ったバーナム博士は、過去へタイムトラベルを繰り返して歴史改変を試みている
- ただし、なぜかタイムトラベル先に長くとどまることはできず、強制的に950年前に引き戻されてしまう
- 全知覚生命の絶滅を防ぐには、コントロールに球体のもつデータを渡らせないことが絶対に必要
- 何度も改変を試みたが、どうしてもコントロールに球体のデータが渡ってしまうことを防げない
- 今回は球体をディスカバリーに先に接触させ、球体のデータをディスカバリーが守り通してくれることで未来を変えようと試みている
うーん。バーナム博士、壮絶な目にあっています。
「全宇宙にひとりぼっち」というのがどれほどの絶望感か、想像もしたくないですよね。
幾度もタイムトラベルして歴史改変できるのはかなり反則的な能力と言えますが、それでもいまだ目的達成には至らず、目前で愛娘が死ぬ光景を幾度も目にして。それでも挑戦を続けているのは凄まじい意志の力です。
今回はバーナム博士がスポックを導き、それによってディスカバリーが球体と遭遇するよう誘導したのでしょう。
そして、スポックを接触相手に選んだ理由は『どの時代でもスポックは頼りになるから』。それは間違いありません。
コントロールにコントロールされるリーランド
前回記事の中でふれるのを忘れていましたが、リーランドが世にも恐ろしい方法でダウンさせられ、コントロールに捕縛されることに。
私は先端恐怖症なので、あれは一番イヤな痛めつけられ方です。
そして、活動のために肉体を欲するコントロールはリーランドの体内にナノマシンを注入し、彼を操るという手段に出ます。
このナノマシンですが、スタートレックファンなら「ボーグのナノプローブ」を思い出すのではないでしょうか。ナノマシンを体内に注入して集合体意識に接続する、あの技術に非常に似ています。
さらにナノプローブを連想される点として、外部から肉体をコントロールするというだけでなく、肉体の強化改造を行っているフシもありますね。リーランドの暴れっぷりと、銃でも止められない耐久度からして、ただごとではなさそうです。なおさらボーグテクノロジーとの関連を疑ってしまいます。
なにしろ、ST8『ファースト・コンタクト』の事件でボーグは21世紀の地球に到達していました。
そして、ENT『覚醒する恐怖』で22世紀の宇宙艦隊にもその存在と技術の一部が知られていますから、今回のコントロールが使った技術に関係していたとしたら…なんて妄想が膨らみます。
ドクター・フロックスを冒したナノプローブを、その後22世紀までセクション31が分析して研究開発していたのだとしたら、面白そうではないですか?
ジョージャウとタイラーの活躍
さて、今回大活躍だったのは、皆大好きジョージャウ皇帝withアッシュ・タイラー。
リーランドの異変にすぐに勘づきます。やはりコーンウェル提督とは違いますね。
しかしこの2人、本当にマイケルのことが大好き。彼女のことになると裏表なく団結し、危ない橋も平気で渡り、体を張るのを厭いません。
結果的に彼ら(とスタメッツ)の機転により、球体のデータすべてがコントロールに渡ることはありませんでした。
とはいえ、争奪戦はまだまだこれからです。
重傷を負ったタイラーは無事なのかも気になりますよね。
残された謎:謎の信号とは何なのか?
さて、シーズン2もいよいよ佳境にさしかかってきた訳で、謎だらけだったストーリーもかなり解明されてきました。
しかし、まったく手付かずで残っているのが、ディスカバリーを各所に導いてきた「謎の信号」。
今回、バーナム博士もその正体について知らないと名言していましたから、それが本当だとすれば今の所、手がかりゼロ状態です。
テラープライムやカミナーの件を見ても、明らかに状況を俯瞰してみている存在が、何らかの意図をもってディスカバリーを導こうとしている意志の現れだと思われましたが…。ここに来て赤い天使と無関係となると、さらなる奥深いギミックに期待せざるをえません。
どんな結果を見せてくれるのか、終盤の展開に大きな期待がかかります!
ここからがストーリー的にも正念場。ディスカバリーの全知覚生命の未来を賭した戦いにますます注目ですね!
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