スタートレック︰ディスカバリー シーズン1 9話『深き森の奥へ』レビュー
惑星パーヴォを守るため、クルーが一丸となって戦うアツい展開!
来年の再開に向けてクリフハンガー要素たっぷりの引きで「一区切り」
スタートレック:ディスカバリー
Season 1 Episode 9
『深き森の奥へ』
原題:"Into the Forest I Go"
【本記事は視聴済みの方向けのレビューです。ネタバレを含みます!】
ディスカバリーの シーズン1も、このエピソード9で一区切りとなります。
現時点の総まとめであり、なおかつ続きが気になる要素が満載のエピソードでしたね。
・ディスカバリーにチームワークが!
前にも書きましたが、スタートレックシリーズというのは『難題に対してチームワークで対処し、乗り越えていく』のが大きな魅力のひとつだと思います。
クルー達が個々の専門スキルを結集して知恵を絞ったり、相互の信頼関係にもとづいて機転を利かせて乗り越えたりと、チームワークの形はエピソードによって様々です。
われわれ視聴者は、かれらが一丸となって困難に立ち向かう姿を観てワクワクしたり、感動するのです。
ただ、その感動というのは『クルー達がみな優秀で、自分の仕事に誇りを持ち、また信頼に足る人物である』ことを前提としているから成り立つものです。
今までディスカバリーのクルー達は(従来シリーズに比べて)仲がよくなかったり、協力して物事にあたるシーンが少なかった訳ですが、それはキャラクター達自体が、まだ互いをそこまで信頼していなかったからでしょう。
今までの9話分のドラマの積み重ねが人間関係をつくり、ついにチームワークで困難を覆すまでに至ってきたと思うと、感慨ぶかいものです。
このような信頼関係の形成は、DS9やVOYの初期のエピソードでも見られましたね。
所属も主義も異なるクルー達が同じ艦(ステーション)に乗り合わせたことでギスギスしていましたが、どちらも中盤以降は本当に良いチームになっていました。
こうした変遷もスタートレックの醍醐味だと思うのです。
しかも、それをわずか9エピソードで成し遂げつつあるディスカバリーのストーリーの密度よ。
・パーヴァンのため、連邦のために『空前の連続ジャンプ』を決行するスタメッツの覚悟!
これにはまったく痺れましたね。格好いい。
ジャンプの負荷に耐えながらカルバーに愛を伝える場面はじつに感動的でした。二人の絆を感じますね。
・ディスカバリーならではの必殺技、オールレンジ攻撃!
ファンネルか、短距離連続ボソンジャンプか、瞬間移動かめはめ波か。
スタートレック的には、USSプロメテウスの分離攻撃を1隻でやってしまっているような効果でしょうか。
こんなロボットアニメ的な燃え展開をスタートレックで見る日が来ようとは。
そういう意味でちょっと感動的でした。「らしく」はないけれども。
・目薬をさしてまで、死者の船の最期をしかと見届けるロルカ船長が格好いい。
男の執念を感じます。
・遮蔽装置の破り方
マイケルがクリンゴン戦に乗り込むという大胆な作戦に出たとはいえ、けっこう簡単に遮蔽装置を見破っていました。
TOS時代の遮蔽装置はけっこう粗も多かったので、まあこんなものでしょうか。
・パーヴァンおとがめなし?の件
ディスカバリーの活躍でパーヴァン達は救われた訳ですが、かれらは何が起こったか判っているんでしょうか?
かれらが今回の事件をどのように捉えたかが判らなければ、またクリンゴンを呼び寄せて同じことの繰り返しになるのではないでしょうか。
連邦側にとっては、遮蔽装置対策はとりあえず得られたので、パーヴァン達の協力は当面不要ということになりますが、ちょっとスッキリしないですね。
・アッシュの秘密とは?の件
渦中のアッシュですが、ルレルとの壮絶な『気に入られ』シーンの回想がありました。
クリンゴンのセックスは流血をともなう激しさとは言いますが、拷問危惧の映像と入り混じって、結構ショッキングな映像でしたね。
PTSDも納得です。
ところで前回当ブログでは『アッシュ=ヴォク説』を支持しましたが、ルレルの最後のセリフからすると、やっぱりその可能性は高そうですね…。
かれの記憶は恐らくスパイを行うために改竄されて、「自分は地球人で、クリンゴンに拷問されたいた」とでも思いこまされているのではないでしょうか。
本当は、拷問の記憶は人間の姿になるための整形手術のシーン、ルレルとのベッドシーンは実際は“愛のある行為”だったのではないか。…という気すらしてきます。
・ディスカバリーはどこに?
さて、最大のクリフハンガー要素である『ディスカバリーの壮大な迷子の件』です。
この手の『未踏の領域に宇宙船ごと急に移動してしまう』というネタはスタートレックでは非常におなじみですが、今回は単に場所だけでなく、マイセリウムネットワークの性質上、あらゆる時空間に移動してしまう可能性もあったので、どうなったのか全く予想がつきませんね。
このネタを史上もっともフィーチャーしたのは、なんといっても『ヴォイジャー』でしょう。
かれらはケアテイカー(管理者)なるエイリアンによって銀河の反対側・7万光年の彼方に飛ばされてしまったわけですが、彼らはその直後の時点でも『自分たちの位置が7万光年移動した』ことを瞬時に把握していました。
たぶん、一応は天の川銀河の中にいた訳ですから、星図内での位置関係を把握できたのかもしれませんね。
さて、ディスカバリーはヴォイジャーのように、単に遠方にジャンプしてきただけなのでしょうか?
タイムスリップや、マルチバースの他の宇宙に飛ばされた可能性もありますね。
シリーズ恒例の鏡像世界とかね。
先が気になって仕方がないところですが、次回エピソードの配信は来年1月7日だそうです。
しばし、おあずけですね。
さっそく次回エピソードのトレーラー動画はアップされているようです。
次回配信まで、楽しみに待つとしましょう。
本ブログのスタートレック関連記事、ディスカバリーの各話レビュー はこちらから。