スタートレック︰ディスカバリー シーズン1 13話『過去は序章』レビュー
テラン帝国を揺るがすクーデター!
ディスカバリーは果たして元の宇宙に帰還できるのか?
スタートレック:ディスカバリー
Season 1 Episode 13
『過去は序章』
原題:"What's Past is Prologue"
・ロルカ率いる反乱派がクーデターを起こす!
前回、鏡像宇宙の出身者と判明したばかりのロルカがさっそく行動を開始します。
『勝算があるから戻った』と自信たっぷりに言い放ち、部下たちを解放してクーデターを開始。
1年以上拷問に耐え続けていた部下たちが殺されていないのが不思議ですね。結構すぐに戦線復帰できるし、そこまでひどい拷問じゃないのかな?
そして、もはや懐かしいクマムシの犠牲者ランドリーさんが再登場。鏡像宇宙でもロルカの腹心だった模様。
ロルカの言う勝算は、マイセリウム胞子を流用した生物兵器で圧倒的戦力差を覆す作戦でした。
相変わらず残酷描写が(スタートレックにしては)生々しいです。
あと、鏡像宇宙の人間を倒すのに最も有効な武器は『閃光弾』だと判明。
・スタメッツ復活!そしてネットワークを見とおすビジョン
前回のマイセリウムネットワーク内の冒険を経て、スタメッツ がついに復活しました。
例の"ゆかいな人格"ではなく、元の彼の性格に戻っていますが精神的にはすっかり安定しているようです。
随所にティリーやマイケルに対するリスペクトも見られ、角も取れた印象です。
ともに危機を乗り越え、互いに認め合う人間関係ができてきたのが見てとれ、喜ばしいですね。
・頼れるサルー船長の誕生!
宮廷船に潜入中のマイケルから情報を受け、全宇宙の生命を守るためのハイリスクな戦いに挑むディスカバリーのクルーたち。
ロルカの裏切りにより指揮を執るサルーが、堂々たるスピーチをして皆を鼓舞します。
かつてロルカの代役をつとめるときに、不安にかられ過去の名指揮官のデータと自分を比べて悩んでいた姿を思い起こすと、彼の成長に感動します。
本当に、立場は人を作りますよね。
クルーたちがナチュラルにサルーのことを『船長』と呼ぶのが良かったです。
・激しくアツい、ディスカバリーVS宮廷船とのバトル&脱出!
敵に肉薄して一斉射撃を浴びせ、すばやくワープアウトという燃える展開。
作戦立案に際して、今までモブ同然だったエアリアムやデトマーも含めてクルーたちの意見がかわされ、一致団結しての作戦遂行が実にアツかったです。
ディスカバリーの作風はスタートレックにしては戦闘的ですが、その主役艦たるUSSディスカバリーだけを見ると『活性胞子ドライブ』というずば抜けた特徴以外はさして強力な船ではないのですよね。
当初研究目的の艦だと言っていたこともあり、これはスタートレック的にもいいバランスだと思います。
船籍番号からしてコンスティテューション級よりもかなり前に製造された艦でしょうし、研究設備以外は凡庸なスペックの船なのかもしれませんね。
・世界をまたぐ母と娘の関係
鏡像宇宙でも元の宇宙でも、ジョージャウとマイケルの絆は母と娘のようなものでした。因縁めいています。
そして色々あった結果、鏡像宇宙のジョージャウ皇帝とともに帰還してきたマイケル。
中身は別人、残虐な皇帝だと判ってはいても、見捨てることのできないマイケルの心情は理解できます。
こちらの世界では「死んだ人間」であるジョージャウの存在が今後どうなるのか、気になりますね。
・菌類の力ってすげー。
今回ひとつ思うのは、胞子ってすごいということ。
・あらゆる時空間や並行宇宙へ瞬間移動できる
・生体兵器に応用できる
・超強力なエネルギー源にもなる
・副作用として全ての宇宙の生命を根絶させてしまうほどの影響力
ミノフスキー粒子も真っ青の便利さとハイリスクさです。
最後にジャンプで鏡像宇宙から脱出したディスカバリーですが、スタメッツが見ているであろうマイセリウムネットワークの中の風景がイメージ化され、興味深かったですね。
ちょっと、VOY最終回のボーグのトランスワープハブのネットワークを思い出す見た目でした。
・帰還した時はウラシマ状態の9ヶ月後…。連邦の安否やいかに
激闘の末、なんとか元の宇宙に帰還したディスカバリー。
クリンゴンの遮蔽装置への対抗策を連邦に届けなければなりませんが、元の宇宙では9カ月もの時間が過ぎてしまっていました。
連邦の領域内への呼びかけに返答はなく、勢力図は見るのも恐ろしいことに。
10年後のTOSの冷戦状態に繋がることをふまえると、これからさらに大きな変化があることでしょう。
シーズン1も残り2話、今後がじつに楽しみです。
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