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スタートレック:ディスカバリー シーズン2 8話『記憶の役割』レビュー

はじまりの星タロスで姉弟の思いが交錯する。

そして明かされる赤い天使の行動目的とは?

 

 

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タロス人の協力で、スポックが復活!赤い天使の目的とは?

 

 

 

 

スタートレックディスカバリー
Season 2 Episode 8
『記憶の役割』
原題:"If Memory Serves" 

 

 

 

 

 

 

はじまりの星、タロス4号星

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見た目の不気味さに反し、すごく親切なタロス人

 

前回、かつてエンタープライズの訪れた禁断の星、タロス4号星へ乗り込んだマイケル。

スポックはやはり、タロス人達の力を借りて自らを回復しようとマイケルを導いていたようです。

 

TOS以来、ものすごく久しぶりの登場となるタロス人は幻影をあやつる超テクノロジーを持った種族で、知覚・認識分野においてはこれ以上ない専門家といえます。

今回も星をまるごとブラックホールに偽装するなど、大規模な幻を見せてくれました。

 

しかしジョージャウ元皇帝いわく、鏡像宇宙のテラン帝国はクリンゴンのみならず、タロスをも征服していたとのこと。

タロスの幻影に対して徹底的な武力行使に出たということでしょうか。連邦からするとかなり格上の相手に思われただけに、驚きです。

 

それはそうと、タロス人の『他人の意識をビジョンとして見せる』能力により、スポックは意識を回復し、姉弟の間のつもる話もスムーズに伝達。「精神融合のもっと便利なやつ」という感じです。

おかげで話はトントン拍子に進み、視聴者の待ち望んだ『スポックの知る赤い天使の情報』が明かされます。

 

 

 

 

 

赤い天使の目的と、避けるべき未来とは?

 

意識をとりもどしたスポックから、ようやく彼が知っていることを聞くことができたマイケル。

その内容は予想以上にスケールの大きなもの。

 

スポックはやはり赤い天使に会っており、なんと精神融合を試みていました。

 

そこで判明したのは、赤い天使は未来から来たタイムトラベラーで、将来起こる『銀河系の全知覚生命体の絶滅』を止めようとしている…という事実。

なんと、『全銀河系規模』と来ました。桁外れのスケールですねぇ。

 

スポックの見たビジョンの中で文明を滅ぼそうとしているマシンは、前回パイクとタイラーの乗るシャトルを襲った、あのイカみたいな探査機(以下、便宜上「センチネル」と呼びます*1)の姿に似ています。センチネルを送り込んだのは赤い天使と敵対する存在だと考えるべきでしょう。

 

 

 

TOSとのリンクが愛おしい

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ヴィーナとの再会。TOSファンには感慨ひとしお。

タロス人の登場も嬉しかったのですが、タロス人のもとで幻影による幸せな人生を送る地球人、ヴィーナの登場もTOSファンには嬉しいところです。

 

パイクとのロマンチックな関係、互いへの思慕は今も続いていた模様。

しかし、この後に『タロス星の幻怪人』がつながると思うと、幻影であろうと二人がともに生きることができることが、ひときわ美しく見えます。

 

 

カルバーのアイデンティティ・クライシス

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苦難を乗り越えるかに思えたカップルに、辛い現実が。

一度は死亡しながら、胞子ネットワークの世界から生還を果たしたカルバー。

喜び舞い上がるスタメッツとは対象的に、カルバーは「自分が自分でない」ように感じるアイデンティティの喪失を感じていました。

 

そしてトドメとなるのが、タイラーとの遭遇。

心配していた通り、一度自分の命を奪った相手であるタイラーを前にして、怒りを爆発させるカルバー。

 

その実、本当の怒りの対象はタイラーでもスタメッツでもなく、「やり場のない自分自身への怒り」のようなものであり、その心情を思うと堪らないものがありますね。

スタメッツとの別れを切り出す姿があまりに痛々しく、彼らの今後の幸せを願わずにはいられません。

 

 

タイラーの内通者容疑

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セクション31にディスカバリーの居所をリークしているのは?

セクション31エージェントという立場から、ディスカバリーの行き先をセクション31へ知らせているという嫌疑をかけられてしまうタイラー。こればかりは仕方ないですね。

 

真相は映像で示唆されている通り、エアリアムがセンチネルの影響を受け、情報をタレコミしていると考えるのが自然でしょう。

赤い天使がスポックを介して干渉してきているのと同じように、センチネルの主もエアリアムを通じて干渉してきている訳でしょうか。

 

これからのディスカバリーの逃避行における最強の武器である胞子ドライブが狙ったようなタイミングで使用不能になるのも、エアリアムの工作によるものでしょう。彼女はジャンプのときオペレーションを行っていましたからね。

だとしたら、センチネルの主は情報工作まで行う計画性をもった狡猾な相手だと言えます。

 

 

 

スタートレック:叛乱

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艦隊の命に反しても、未来の大虐殺を防ぐために立ち上がる!

 

リーランドを出し抜いてから、スポックのダメ押しのバルカン・サリュートで盛り上がった後は、ディスカバリーが連邦の意向に背いてでも大虐殺を防ぐために行動することに。

 

クルーたちが当然のようにパイクに従うのがいいですね。船長への信頼だけでなく、倫理的に言っても疑問の余地などないでしょう。

ST9『叛乱』で、クルーたちに黙って船を降りようとするピカードをライカー達が止めに来るシーンを思い出します。

 

 

 

いよいよスポックも合流し、ストーリー上の大目的も明らかになり、ますます加速するディスカバリー

次回も楽しみに観ていきたいと思います。

 

 

 

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 シーズン1の最初のレビューはこちらから

 

 

 

ディスカバリー』以外のスタートレックシリーズの紹介と、見るべき順番のガイド記事はこちら

  

 

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 劇場版ケルヴィン・タイムラインの『スタートレック BEYOND』レビューはこちら

*1:イカみたいなメカだけに。