スタートレック:ディスカバリー シーズン2 7話『光と影』レビュー
ついに登場したスポックを守るため、姉・マイケルが奮闘!
さらに時空を超えた脅威にディスカバリーが立向う!
Season 2 Episode 7
『光と影』
原題:"Light and Shadows"
- 母は強し、アマンダ・グレイソン
- ようやく、ようやく登場のスポック
- マイケルに手を差し伸べるジョージャウの心理
- タイラーとパイクの時間旅行
- 難しい任務を生き生きと楽しむスタメッツ&ティリー
- 禁断の惑星『タロス4号星』へ
母は強し、アマンダ・グレイソン
セクション31が総力を上げてもなお突き止められなかったスポックの所在が、ついに明らかに。
なんとあまりにも当たり前の場所、『ヴァルカン本星の母親の庇護下』に彼はいたのでした。しかし近くにいたサレクですらも知らなかったことであり、マイケル以外ではスポックに到達するのは難しかったでしょうね。
スポックとマイケルの母、アマンダはTOSやAOSにも登場していましたが、こんなにクローズアップされるのは初ではないでしょうか。
しかも「息子を守るためなら何でもする」と言わんばかりの覚悟と強さを示します。
さすが外交官の妻であり、ヴァルカンとの国際結婚に踏み切った地球人第一号!と言うべきでしょうか。
そうでなくても女性キャラクターの活躍がめだつディスカバリーですが、既存キャラも時代に即してアクティブになっていっているようです。
無闇なキャラ改変はリスキーですが、説得力が増す改変は歓迎です。
ようやく、ようやく登場のスポック
シーズン2を通じてキーマンであることが早々に示されながら、子供時代の回想シーン以外ではついぞ姿を見せなかったスポック。
シーズン2も半ばにさしかかるこのタイミングで、ようやく本人が登場しました。
しかし、スポックは精神的に追い詰められ、認識障害の状態にある模様。赤い天使のことをはじめ、彼に聞きたいことは山ほどあるのに聞き出すことができない。かといって、彼の身柄を危険にさらすことはさらに避けるべき…という状況で、マイケルお姉ちゃんが奮闘します。
マイケルの成長について
しかし今更ながら、マイケルというキャラクターは物語中ですごい成長を遂げていますよねぇ。
今や彼女は胸襟を開いて感情を発露できるし、素直に自分の非を認めて反省したり、他人を心から思いやることもできます。
ティリーやサルー、そしてスポックやアマンダを案じるマイケルの眼差しが印象的です。
他人の痛みに共感し、慈愛に満ちた表情。ソネクア・マーティン=グリーンの演技が光っていると思います。
マイケルに手を差し伸べるジョージャウの心理
一度はスポックを助けるためにセクション31の手を借りようとするマイケルでしたが、ジョージャウが警告に現れ、辛くもセクション31から逃れます。
元皇帝のミラージョージャウがマイケルを助けることをマイケル自身も意外に思ったようですが、これはさもありなん。今までジョージャウが残虐な人間であることは繰り返し描かれていますので。
しかし、ジョージャウの言う『善人であるお前のため』というのは恐らく本音でしょう。
そもそも、ミラージョージャウも鏡像宇宙ではミラーマイケルのことを娘のように扱い、側に置いていたと語っていたことがありました。
プライム世界のマイケルも、人格は違えど彼女にとって気にかける存在なのでしょう。
また、上官であるはずのリーランドに対しても『私を支配できると思うな』と啖呵を切るジョージャウは格好いいですが、セクション31に忠実というわけでもない彼女の目指すところは何なのか。
タイラーとパイクの時間旅行
一方、カミナーの上空にあらわれた時空の裂け目を調査する、パイクとタイラーのストーリーも中々熱いものがありました。
パイクは『元クリンゴンのスパイであり現セクション31エージェント』という、純度100%の怪しい経歴をもつタイラーを信用していません。
そんな二人の共同戦線と、関係の変化が描かれました。
また、時空の裂け目の向こう側が恐らく500年後の未来であり、
ディスカバリーのもつ情報を狙っていることも判明。
500年後というと、28世紀。
今までのシリーズでもあまり触れられていない時代ですから、推測が難しいですね。ENTでは26世紀や31世紀については少しは触れられていたと記憶しますが・・。
エアリアムが謎の探査機と繋がった?のか、何らかの影響を受けた描写がありました。けっこう念入りに描写されていたので、どういう伏線になるか気になります。
難しい任務を生き生きと楽しむスタメッツ&ティリー
時空の裂け目に突入したパイクとタイラーを助けるため、ティリーがスタメッツの助力をえて頑張ります。
難しい状況ではあるものの、突破口となるアイディアを思いついた瞬間に満面の笑みを浮かべるスタメッツがかわいいです。この二人は菌類の分野に関しては師弟的な関係でしたが、今は双方向のリスペクトができていて『名コンビ』という感じが出てきていますよね。
禁断の惑星『タロス4号星』へ
スポックが繰り返しつぶやき続ける謎の数字が、じつは惑星の座標であると特定したマイケル。
その座標が示す星は、なんと『タロス4号星』!
タロス4号星は、TOSのパイロット版である『歪んだ楽園』および、それを受けて作られたTOS『タロス星の幻怪人(前後編)』に登場した惑星です。
TOSのパイロット版ということは、世の中に『スタートレック』が出た史上はじめてのエピソード。パイク船長が指揮するUSSエンタープライズ号がタロス4号星を訪れたところから、スタートレックは始まりました。
いつもなら「TOS未見の方はぜひ『タロス星の幻怪人』を観て下さい!」…と言いたいところですが、パイク船長に関する重大なネタバレになりかねないので、観たほうがいいのかどうか即断できないです。
とりあえず、下手なことは言わずにディスカバリーを楽しむほうがいいかもしれません!
それでももし参考に観るのであれば、『歪んだ楽園』のほうが良いと思います。
さて、タロス星とスポックというTOSのネタと、未来世界からの干渉という新ネタの両方が突っ込まれ、一気にストーリーが動き出したディスカバリー。
継のエピソードも楽しみにしてまいります。
本ブログのディスカバリーの各話レビュー はこちらから。
シーズン1の最初のレビューはこちらから
『ディスカバリー』以外のスタートレックシリーズの紹介と、見るべき順番のガイド記事はこちら
シリーズ初心者向けの『ディスカバリー』推薦記事はこちら
劇場版ケルヴィン・タイムラインの『スタートレック BEYOND』レビューはこちら