スタートレック:ディスカバリー シーズン2 4話『カロンへ』レビュー
スポックを追跡するディスカバリーに立ちふさがる謎の球体!
そして、サブストーリー的にはサルー回では?
スタートレック:ディスカバリー
Season 2 Episode 4
『カロンへ』
原題:"An Obol for Charon"
サルー主役回!(断言)
SFXファン的には超のつく名優であるダグ・ジョーンズが演じる、ディスカバリーの副長ミスター・サルーについにスポットライトが!
今回はサルーの種族・ケルピアンという種族についての理解が深いと、より感動を呼ぶものになっています。
種族の性質については本編でも語られて来ましたが、とくにおさらいしたいのは番外編の短編集である『ショート・トレックス』の『希望の星』というエピソードです。
そこではワープ技術はおろか、古代レベルの文明しかもたないケルピアンの母星と、若き日のサルーが宇宙艦隊に入るきっかけとなった経緯が描かれています。
ショート・トレックスはNetflixでも視聴可能です。
ディスカバリーを視聴している方はNetflixをご覧になれるでしょうから、スマホ版アプリで『予告編等』から御覧ください。
4エピソードとも見て後悔することはない内容になっています!
艦隊唯一のケルピアンとして、ひとり母星を離れた彼が中佐にまで上り詰めるためには強い精神と尋常ではない努力が必要だったはずで、『地位や階級』に対する思いも人一倍であったことでしょう。
もしかして、スタートレックの登場人物でも随一の苦労人では?
多数の言語を習得したことも努力の一環でありましょう。
そんな彼が死の自覚をしたとき、今までであれば『種族の変えることのできない運命』に恐れおののくだけだったかもしれませんが、彼にとって幸いだったのはマイケルという家族の存在でした。
サルーはマイケルにとってシェンジョウ時代以来の古い友人でもあり、ともに軋轢や試練をのりこえた理解者でもあります。
サルーが種族の限界(と思っていた病)を乗り越えることができたのも、マイケルの存在なしには無かったことかもしれません。
データやEMHドクターのように、自分の存在を超えて可能性を示した彼に感動を覚えました。
ディスカバリーに作戦室が!
最近こんなことばかり言っていますが!
シーズン2になってから、サブクルー達の人間模様や相互協力が描写されるようになって、『スタートレックを見ている』という幸福感をおぼえるシーンが本当に増えました。
これというのも、シーズン1の試練を皆で乗り越えたからなんでしょう。
その極めつけとして、ついにディスカバリーにも、作戦室が登場!
クルーが作戦室にあつまり、問題に対策を立てるおなじみの光景が、これほどありがたみを持つとは、まったく驚きです。
エンタープライズ副長「ナンバー・ワン」
TOSパイロット版『歪んだ楽園』でパイク船長の副長として登場した通称「ナンバー・ワン」。本名で呼ばれることが無かったので、名前は誰も知りません。
有能で美人、完全無欠に見える人物ですが、パイク船長へ密かに思いを寄せていることが明かされる役回りでした。
その彼女が、ディスカバリーにも登場しています。
ナンバー・ワンを演じるのは、ジェシーおいたんの元嫁ことレベッカ・ローミン!
映画ファンにはX-MENシリーズのミスティークとしてあまりにも有名でしょう。
出演自体が嬉しいし、緊張感のある美貌がキャラクターにも似合ってます。
謎の邦題を補足します
ディスカバリーの各エピソードには邦題がついていますが、基本的に意味不明だったりやる気のないタイトルが多く、あとから差し替えられることもしばしば。
今回の『カロンへ』はとくに意味不明だと思いました。
そんな言葉、今回の劇中に出てきていないんですもの。
原題の『An Obol for Charon』は、ギリシャ神話でいう冥界への渡し船の船頭『カローン』への渡し賃のことらしいです。
洋画ファンの方なら、死者を葬るときにコインを死者のまぶたの上に置くシーンを見たことがないでしょうか?
あれが、カローンへの渡し賃。
死者が無事に冥界に行けるようにというおまじないみたいなものでしょうか。
それを思うと、今回は謎の球体の『死』、サルーのヴァハライによる『死』という死にまつわるテーマがありましたので、含蓄のあるタイトルにも思えます。
そういえば、ディスカバリーではシーズン1で『ISSカロン』という艦が出てきていましたね。
鏡像宇宙のジョージャウ皇帝の宮廷船です。
このカロンという名前も、ネーミング元は今回と同じでしょう。
そういえば、このISSカロンも、巨大な光る球体をエネルギー源にしていました。
英語版メモリーアルファによれば、あの球体は『スーパーマイセリアルリアクター』といい、マイセリウム胞子を凝縮したエネルギー源だそうです。
今回の謎の球体と関係があったりしないんでしょうかね?(無いかも)
リノとスタメッツが挑む、マイセリウムの謎
スタメッツとティリーが、前回に続き『メイ』を名乗る謎の菌類に手を焼いているところにジェット・リノが登場。
さっそくスタメッツに口論をふっかけ、トラブルメイカーに思えましたが活躍もありました。
メイとの交信を経て、どうやらディスカバリーのジャンプがマイセリウムのネットワークに悪影響を与えていた?可能性が示唆されました。
後の時代にジャンプ技術が使われていないのは確定なので、その理由が気になるところですが、このことに関係があるのかもですね?
本ブログのディスカバリーの各話レビュー はこちらから。
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