MARVEL版ゴジラ、死す!?という疑惑について調べた話
前回は、『MARVEL版ゴジラ』のリーフを観察して愛でる記事を書きました。
今回も引き続きMARVEL版ゴジラについての話題です。
MARVEL版ゴジラは、24号からなるオリジナルシリーズが完結した後も、何度かMARVELユニバースの作品に姿を見せていたようです。
たとえば近年では、シビルウォー時の『マイティ・アベンジャーズ』誌に、モールマンの操るモンスターの一体として、ゴジラらしき怪獣が姿を見せていたとか。
70年代の、あのMARVEL版ゴジラと同一個体なのかどうかは不明です。
少なくとも、外見的には似ても似つきませんよね。
とはいえ、アメコミでは「担当アーティストによってキャラクターの顔がまるで別人になる」なんてのは日常茶飯事です。
あのMARVEL版ゴジラ本人が、若手アーティストによって今風のイケメンにアレンジされて別人風になっただけ、という線も捨てきれません。
こうしたMARVEL版ゴジラの活躍については、詳しくは下記のMARVEL Database Wikiaにまとまっています。
『アンキャニィ・Xメン』誌におけるゴジラ死亡説(?)
それで本題ですが、上記のWikiaのキャラクター紹介ページには、そのキャラクターの初登場エピソードと死亡確認エピソードが記載されるようになっています。
キャラクターが劇中で故人ならば死亡確認エピソードが記載され、存命中ならば当該項目は空欄となるわけです。
そこでなんと、一時、MARVEL版ゴジラは『死亡した』という扱いで記載されていたことがあったのです。
(現在はすでに修正され、存命あつかいになっています)
当時、ゴジラが死亡したエピソードとして記載されていたのは『Uncanny X-Men #507』。
2009年の5月に刊行されたX-MENの本誌です。
すなわちX-MEN関連のストーリー上で、ゴジラ死亡説(?)が生まれていたワケです!
すごく気になりますよね?
少なくとも、私は気になりました。
そこで私は、くだんのWikiaをはじめネットからの断片的な情報を集め、拙い英語力を駆使して整理したしだいです。
ゴジラ死亡疑惑時のストーリーは、こんな成り行きです。
- 当時のX-MENは『Mデイ』および『メサイア・コンプレックス』展開のあとで、世界的にミュータントが激減して絶滅寸前*1、大ピンチの時期。
- その解決方法を探すために、ミュータント科学者チーム『Xクラブ』の面々が、日本の科学者『ユリコ・タキグチ博士(男性)』の協力を得ようとする。(タキグチ博士は、70年代のMARVEL版ゴジラに登場した人物で、当時ゴジラと対決した巨大ロボット『レッド・ローニン』の開発者でもある。)
- 国後島にあるタキグチ博士のラボを訪れたXクラブの面々。
- ところが、タキグチ博士はXクラブのことを『国後島を奪還しにきたロシアのスパイ』だと誤解してしまう。
- タキグチ博士はスパイから島を守ろうと、『ゴジラっぽい怪物』をXクラブにけしかけ、怪物は倒され死亡する。
かなりぶっとんだ展開ですね。
この『ゴジラっぽい怪物』は劇中で「Leviathan」と呼びかえられたそうです。
ここではアメコミらしく英語読みで『リヴァイアサン』と呼称します。
どうやら、このリヴァイアサンがMARVEL版ゴジラ本人なのではないか?というのが、ゴジラ死亡疑惑の発端のようです。
海外のファンの書き込みを見ても、両者を同一視している記述が散見されています。
そうかと思えば、『似てるだけで別物』という記述も見られるので、はっきりとしたことがなかなか分かりませんでした。
さて、とにかく見てみないことには始まりません。
問題のリヴァイアサンの姿というのが、こちら。
これがゴジラなのか…?
限りなく疑問符がつきますよね。
とはいえ、MARVEL版ゴジラとの共通点が無いわけではありません。
- 爬虫類チックな巨大モンスター
- 緑色の体
- 海に適応している
- 背びれがある(ただし2列)
このように要素単位で見ると、かなりゴジラに似ています。
また、「姿が違う」という点に関しては、ゴジラは過去の別ストーリーで悪役に突然変異させられ、ヒレ付きの姿になっていたことがあるという実績もあります。
過去にこんなこともあったくらいですし、ましてや今回はゴジラと因縁の深いユリコ・タキグチ博士(男性)に関連して登場している訳ですから、リヴァイアサンがMARVEL版ゴジラの成れの果てと考えられなくもありません。
もし同一個体でなくとも、同族や亜種という可能性もあります。
そこのところはどうなのでしょうか?
しかしこのリヴァイアサン、劇中では
『タキグチ博士が国後島の海棲生物をもとにして創り出した、人造の怪獣』
と説明されていたようです。
もちろん、ゴジラのオリジンとは異なっています。
この説明が本当だとすると、やはり『リヴァイアサン=ゴジラ本人ではない』ということなのでしょうか?
真偽は、実際に見てみないとわからない。
というわけで、お待ちかね。
このゴジラあらためリヴァイアサンの『Uncanny X-MEN』劇中での活躍を紹介しましょう。
Xクラブに襲いかかるリヴァイアサン!
その巨体と頑丈すぎる皮膚に、Xクラブの面々もお手上げ状態です。
と、そこへ、『僕が片付けるよ』と勇ましく名乗り出たヒーローが!
ハンサム・金持ち・プレイボーイと三拍子そろった完璧超人キャラで、X-MEN創設時からの最古参メンバーにも関わらず、やたらと不幸な目に遭ってイジけていることの多い(偏見)*2エンジェルさんではありませんか。
エンジェルは皆を制止して一人前に進み出ると、すぐに戦闘形態である「アークエンジェル」に変身し、リヴァイアサンへ立ち向かいます。
はい。
というワケで、我らが元祖Xマンのエンジェルさんが一瞬でやってくれました。
リヴァイアサンの活躍は以上です。
うーん。
やっぱり、これがあのアベンジャーズ総出でも倒しきれなかったMARVEL版ゴジラの最期だとは到底思えません。
ヒーローたちの力もインフレしているとはいえ、これだけでおしまいとは。
MARVEL版ゴジラは死亡していない。
そうに違いありません。
このリヴァイアサンは、そうですね…。
マグロ食ってるやつの親戚というのが関の山ではないでしょうか?
タキグチ博士がなにを思ってリヴァイアサンを生み出したのか分かりませんが、ゴジラと因縁のあるタキグチ博士のことですから、70年代のシリーズが終わったあとも『ゴジラの圧倒的な力』に魅せられ、それに近い力をもった生物を 作ろうと研究を続けていたのかもしれない…などと妄想せざるをえません。
実際にストーリーを読まれた方がいたら、ぜひ詳しく教えてください。